福田欽司の中国体験談
2013年08月03日

麻生副総理、ナチス発言の真実(8.3)

 麻生副総理が、憲法改正に関する講演の中で、「ナチス政権で、ワイマール憲法がいつのまにか変わってしまっていた。あの手口を学んだらどうかね。」と言ったらしく、これに対し、世界中、猫も杓子も麻生批判を繰り広げています。日本においても、体制側、反体制側に係わらず全国民が批判しています。
 私は、全世界の人に対し、もう少し素直に考えてほしいと思っています。あまりにも物事の見方のバランスが悪い。私は、講演の内容全てを聞いてこの記事を書いているわけではありませんが、常識はもっているつもりです。本人も「話の全体を聞いてもらえれば、ナチスに肯定的でないことは明らかです。」と弁解しています。人の言葉は、部分的に引っ張り出せばどんな意味にでも解釈できます。
 確かに今回の発言は、ナチスを引き合いに出した点で国際感覚に欠けますが、真意の部分いついては、単に日本だけの問題ではなく、世界共通の問題であり、空恐ろしさを感じます。
 麻生副総理は正直すぎてポロッと言ってしまったわけです。今回の参院選の自民党の作戦をばらしたようなものです。

 前置きはこの程度としまして、今回の発言の真意は、昨今の情報メディアを利用した世論誘導手法を痛烈に皮肉ったものです。今回の参院選での自民党の勝利は、世論誘導による勝利といっても過言ではありません。私の知り合いの中にも、頭のいい人、それなりの地位についている人がたくさんいますが、ほとんどがこの世論誘導に引っかかっています。
 自民党は、今回の選挙でTPPとか原発とかいった都合の悪い政策については完全に封印し、マスコミをも巻き込んで、勝利しました。ですから、安部首相は選挙が終わった翌日に、お礼の意味で、協力してくれたマスコミの連中を会食に招きました。一方、選挙中は、ネット情報を徹底的に分析し、勝利のため、演説の内容を微妙に変えていきました。
 そこには、「国民のためにこういうことをしたい」という考えは全く無く、ただひたすらに「選挙に勝つためにはどうすればいいか」という考えしかありません。
 それを、麻生副総理が痛烈に皮肉ったわけです。

 もともと、彼は漫画好きで、物事を漫画的に考えたり、表現したりする傾向がありますので、非常に失言の多い政治家です。私も聞いていて時々腹がたつことがあります。
 もう一つ彼の欠点は、素性が良すぎて、庶民感覚からかなり離れた部分があるということです。しかし、それは彼自身十分にわきまえていまして、時々自分が庶民感覚がわかる政治家だということを記者団に主張するわけですが、逆に記者から「カップラーメンはいくらですか」と聞かれてとんでもない値段を言ってしまいます。憎めない政治家です。

 そういう背景があってか、麻生グループの政策集団の名称は、「為公会」というそうです。これは中国の古典「礼記」からの引用で、「天下為公」という言葉の一部を拝借しています。意味は、政治秩序は、為政者や権力者によるのではなく、国民のために為されなければならないということかと思います。孫文は、この言葉とか、「博愛」という言葉をよく引用しました。
 したがいまして、麻生副総理の基本的な考えは全く悪くはありません。
 余談ですが、小沢一郎の「国民の生活が第一」とか、鳩山由紀夫の「友愛」とかは、ほとんど同じ理念に基づいています。

 もう少し真実のところを掘り下げますと、国民は、マスコミの世論誘導に引っかかり、安部首相と麻生副総理は、考えがほとんど同じで、いいコンビだと思っていますが、これは見せかけです。
 安部首相は、復古調の無理念な政治姿勢で、危険極まりない人物です。祖父の岸信介のように、その場の雰囲気で戦争に走ってしまうこともありえます。また一方では、A級戦犯でありながら死刑を免れたような世渡り術に長けています。私は、いつも安部首相のことを「目くらまし戦術」と言って批判していますが、こういう岸信介のDNAからきています。
 安部政権は、今後も迷走しつづけます。消費税も靖国参拝もTPPもどういう戦術をつかってくるか解りません。理念のない政治家の行動を予想するのは困難です。逆に言えば非常に危険なことです。

天下為公:孫文記念館
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博愛:孫文記念館
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